慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程1年
柳澤 直宏
E-mail: yana@sfc.keio.ac.jp
研究テーマ: IVV法を利用したスプライスバリアントの機能解析
研究の概要:
 タンパク質間相互作用(Protein-Protein Interaction; PPI)解析はポストゲノム科学の中心的な問題として認識され, 大規模なPPIの解析が数多く行われている.一方,解明されたゲノム情報とPPIの情報がリンクされている事例は少なく, 高等真核生物の表現型の多様性を生み出しているといわれている様々な遺伝子発現機構が具体的にどのようにPPIに変化 をもたらすのかは未だによく分かっていない.
 本研究ではin vitro virus (IVV)法によって得られた網羅的な相互作用タンパク質ペアの情報および相互作用部位 の情報を利用して解析が進められている.今期は4遺伝子に由来する6ベイトタンパク質によって得られた2,922プレイ 配列を対象とし,the Alternative Splicing Database (ASD)に登録されている配列との比較から選択的スプライシング によってPPIが変化すると予想される26個の遺伝子を選定した.特にヒト転写制御遺伝子ではin vitroの系においてスプ ライスバリアントが相互作用の強弱およびON/OFFに関わることを確認した.このことは同様の現象が生体内でも調節 機構としての役割を持つ可能性を示している.

目次

1 序論
 1.1背景
 1.2IVV実験の大規模化と実験データの解析
 1.3目的

2 対象と手法
 2.1肺ガン関連遺伝子スプライスバリアントのPPI解析
 2.2転写制御遺伝子スプライスバリアントのPPI解析
 2.3転写制御遺伝子スプライスバリアントのPDI解析

3 結果と議論
 3.1肺ガン関連遺伝子スプライスバリアントのPPI解析
 3.2転写制御遺伝子スプライスバリアントのPPI解析
 3.3転写制御遺伝子スプライスバリアントのPDI解析
 3.4転写制御遺伝子スプライスバリアントの遺伝子発現解析

参考文献

研究業績
第28回に本分子生物学会年会 ポスター発表(ポスタ−番号:3P-0160)
演題「In vitro virus(IVV)法を用いたスプライシングバリアントをもつタンパク質の網羅的解析手法の開発」
著者:○柳澤 直宏;鷲尾 尊規;北川 統之;藤森 茂雄;増岡 和代;平井直也;石坂 正道;宮本 悦子;冨田 勝;柳川 弘志