インターネットは1994年頃からのWWWブームを契機に、それまでの研究者内に 閉じたネットワークから一般のユーザ層まで浸透することになった。インター ネット上の情報提供・収集・検索サービスにおいてはWWWがインターネットの 代名詞と言われるほどの普及を見せ、中心的な役割を果たしている。しかし、 広域分散コンピューティングではこれまでの主流であったクライアントサーバ (C/S)方式のみに依存した情報検索・収集に限界が見え始めたこと等から、自 律分散型コンピューティングへの取り組みが活発化する傾向にある。
このような中、情報検索・情報共有プロセスの垂直化やスケーラビリティの限 界等、現在のWWWが抱える問題を解決策の一つとして、近年ピア・トゥー・ピ ア技術を用いた情報検索・ファイル共有サービスが注目を集めている。
本章では、代表的なクライアントサーバ型サービスとしてWWWを例にその問題 点に触れ、本研究で取り上げるピア・トゥー・ピア技術、及びピア・トゥー・ ピア技術をを用いたファイル共有サービスのGnutellaについて、インターネッ ト上の情報検索・収集サービスという観点から論じる。