本研究では利用者主導型VPSN構築機構であるShepherdを提案する. 利用者は既存PNの設定変更をせずにShepherdを導入でき, 導入回数はPN毎に一回だけであるため,利用者は容易にShepherdを導入できる. Shepherdを導入したシェパードノードはProxy ARP を用いて他のノードのEthernetフレームを集約し, 他のPNのシェパードノードへ転送することでVPNによるノード間通信を実現する. ShepherdをWindows XP 上で実装し,実環境で評価を行った. Shepherdの介在によるノード間のRTTを約2.842msecに抑え, スループットの減少を実用的範囲に収めた. そして,Shepherdを用いたPNの動的再構成が可能であることを確認した. 今後のネットワーク技術の高度化に伴って, PNを柔軟に再構成できるShepherdは将来さらに重要性が増すと考えられる.