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Next: まえがき

Abstract:

遠隔地に存在する組織のプライベートネットワーク (PN: Private Network) を接続する手法として 仮想プライベートネットワーク (VPN: Virtual Private Network) が注目されている. VPNの接続形態の一種である仮想プライベート・サブネットワーク (VPSN: Virtual Private SubNetwork)は ノード単位のアクセス制御が可能で,異種組織のPNにおけるノード間通信に有用である. しかし既存のVPSN構築機構は, 導入時における既存PNの設定変更の必要や機構導入回数の多さなどの問題を有しており, 利用者は容易に導入できない.

本研究では利用者主導型VPSN構築機構であるShepherdを提案する. 利用者は既存PNの設定変更をせずにShepherdを導入でき, 導入回数はPN毎に一回だけであるため,利用者は容易にShepherdを導入できる. Shepherdを導入したシェパードノードはProxy ARP を用いて他のノードのEthernetフレームを集約し, 他のPNのシェパードノードへ転送することでVPNによるノード間通信を実現する. ShepherdをWindows XP 上で実装し,実環境で評価を行った. Shepherdの介在によるノード間のRTTを約2.842msecに抑え, スループットの減少を実用的範囲に収めた. そして,Shepherdを用いたPNの動的再構成が可能であることを確認した. 今後のネットワーク技術の高度化に伴って, PNを柔軟に再構成できるShepherdは将来さらに重要性が増すと考えられる.





root 2007-03-08